MacBook Pro 2020 NANDチップSSD4TB増設修理
MacBook Pro 2020 16インチ 512GB 180,000円で購入して2年使ってみるとすぐに容量が一杯になってしまいました。iPhoneのバックアップもMacBookに保存しているので内臓ストレージの容量の半分を使ってしまいました。
写真やイラストの仕事をしているので日に日にデータが肥大化し容量が足りなくなってしまいました。外付けHDDを購入して可能な限りデータを移動して応用していましたが、出張や外出も多いのでどうにかして2TBや4TBに増設できないかネットで情報を調べたり、自力で内蔵ストレージを拡張できないか探していたら、APPLEMAC大阪北浜店があったので相談してみると、110,000円で増設してくれるということで迷いましたが修理の納期が3日以内で増設完了してくれるとの事だったので注文する決意をしました。
SSDのNANDチップの取り替え交換をする作業は永続的に本体が起動しない、破損させてしまう可能性があるという話も理解し、一度は修理を注文することをやめようと思いましたが、万が一修理作業で壊してしまった場合には50,000円〜80,000円程で買取りしてくれると説明してもらいましたので、どの道ネットで売ろうと思っていましたので、安心して修理を任せることができました。
iMacなどのデスクトップ型の修理作業を行う場合は画面を取り外して内部のマザーボードやHDD、SSDにアクセスする流れになりますが、ノートブックタイプのMacBookやMacBookb Air、MacBook Proは、普段使用する際の底面、裏蓋を外して内部にアクセスする流れになります。
裏蓋を固定しているのは黒色の星形5角のネジとなっておりますが、同じ様な形で、6角の星形ネジも存在します。5角星形のネジは、ペンタローブ、6角星形のネジはヘキサローブと言ったりもしますが、それに合ったドライバーを使用しないとネジを痛めたり壊したり、本体を傷つけてしまう結果になりプロとは言えないレベルの仕事になってしまいます。我々も高精度の専用工具を一人一人が使える様に常備されており、的確に工具を使用し作業を進めていきます。
MacBookのボディはアルミがほとんどですが、旧式のMacBookは樹脂製のボディもありますね。今回お修理するMacBook Proはアルミボディですので、ネジの周りに工具を滑らせてしまったりぶつけてしまったりすると傷がすぐ残ります。工具は硬く加工された鉄、ボディがアルミだと柔らかいのはアルミなので仕方がありません。またネジの頭にしっかり工具が合わなければ、ネジに傷が残ったり、皮膜が剥がれたりして、修理痕跡が大きく残ってしまうため、かっこ悪い作業になってしまいますので、その様な部分も慎重に配慮しながら、簡単にやっている様な作業に見えても、丁寧に正確にを心がけています。
ネジを外してアルミの裏蓋を外す準備ができても、がばっと楽しみにしていたお弁当の蓋を開ける様には開いたりはしません。
内部の状態を手のひらや指や目と言った全ての感覚で捉えながら、破損してしまうものがないか、確認に確認を重ねながら開けていきます。MacBook Proはノートブックタイプなので、とても薄型の省スペースに全ての部品を収めるため、キーボードの裏側にはバッテリーや左右スピーカー、マザーボード、クーリングファンなどが設計された天才的な配置で隙間なく配置されています。ですのでどの部品にアクセスする作業の場合も、隣接する部品に傷をつけたり、損傷させたりすることがない様に、細心の注意と集中力が求められる作業を毎日行なっています。
マザーボードを固定したりその他の部品を固定しているネジも、厳密には5角のネジや6角のネジが混在しているので都度持ち替えながら部品一つ一つを取り外していき、またどのネジがどこのネジなのか、わからなくなったり、ネジが余った、まぁいいか、なんてことが絶対ないように、またとても小さなネジなので万が一、あってはならないですがもしも飛んで行ったりして無くなってしまっても同じネジを取り付けられる様に予備のネジも各端末、各モデルのモノをしっかりストックしています。
マザーボードをMacBook Pro本体から取り外してSSDが見えてきました。見えてもホイ交換とはいかないので依頼できるお店も少なく多少なりとも作業工賃が高額なのはお分かりいただけると思います。SSDチップを取り外し交換するのですが、元々は128GBのものが4枚搭載されているので、その4枚のSSDを取り外す必要があります。SSDは精密な基板の上にハンダ溶接がされておりゲルで硬化してありますので、それをまずヒートガン等で温めながら、ICチップの周囲を基板と固定しているゲルを熱により軟化させながら取り除く必要があります。取り除くには熱と金属製のとても細い鉤爪を使用してカリカリと削り取るイメージで取り除きます。もちろん熱により軟化させているので柔らかくはなりますが、ゲル状の固まったボンドの様なものなので、綺麗に取り除くには経験と技術が求められます。
またゲルの下はプリント基板の絶縁体があり、電気回路が流れ流れる道がたくさんあり、万が一鉤爪の様な道具でカリッ削ってしまったものなら、プリントされている電気回路のどこかをブチっと寸断してしまうことになり電源を入れても回路が成立せず、正常な動作を期待できない結果になる、(壊してしまう)という結果になるのです。どの様な作業も慎重に周りを傷つけたり壊さない様に集中しながら行うのが修理という作業の大切なところです。
ここからSSDを取り外すのですが、作業によっては、リフロー、リボール行う場合は、一度取り外したものを再度取り付ける必要があります。何の知識もなければ、黒い四角い一円玉くらいの板。もっと小さい、5mm角や3mm角、もちろんコンデンサーなどはもっともっと小さい、1mm以下の物も当たり前に使いますが、この様な四角いSSDチップを取り外した時に、何も考えていないと、いざ再接着する時に、上下左右向きが分からない、なんてことになる危険があります。なので我々も画像や動画を撮影しながら作業を行なったり、取り外したICチップにマーク付けして分からなくならない様に、また日が変割って担当が変わる場合は引き継ぎも必要ですので、あいつこれどないなってんねん!とならない様に、誰がどの作業をしてもわかる様に、パスできる様にそんな事もイメージしながら作業を行うのは意外と大変ですが、とても重要なことの一つです。
128GB SSDを取り外し、今回のケースは、512GB SSDを6枚搭載し、3TBにする計画ですが、もともと128GBのSSDは4枚しか搭載されていなかったので、残り2枚は新たにスロットに溶接取り付けすることになりますが、そんな新たに取り付けする際に向きや方向がわからない!そんなことでは仕事が止まってばかりで進みませんので、回路図面を確認し、正確な判断ができる様にしています。XinZhiZao(シンジゾー)社様の日本公式代理店を行なっておりますので、無料で閲覧・使用することができており、とても日々の修理作業に役立っています。iPhone、MacBookはもちろん、Nintendo SwitchやAndroid機種の回路図面の販売も行なっておりますので気になる必要な方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
基板にICチップを取り付ける、取り外すなどの作業はとても小さい物を触るのでマイクロスコープを使用しながら、ピンセットを用い繊細な作業を行いますので、長時間この作業を行なっていると船酔いした様な気持ちになることもありますが、頻繁にこの作業を行なっていると慣れてきます。何時間マイクロスコープを覗いていても平気になります。回路図面を確認し正確にSSDを搭載しても、それで作業は終わりません。
基板を痛めてしまってないか、マイクロスコープで精密に確認し、肉眼でも見えない部分までチェックすることを忘れません。
その後やっと本体に組み付けていき、取り外した順序の逆で元どおりに復元していきます。作業過程で取り除いた放熱用の熱伝導グリスなどは、新しく適正な場所に必要な分量を塗り、組み上げていきます。またせっかく分解したので、MacBookやiMacでも外気取り込み口(アルミのメッシュ部分)やクーリングファン(黒い樹脂製のファン)などにどうしても溜まってしまう埃やゴミ、この人ペットがいるのかな?と思わせる犬猫の毛などもしっかり取り除き、クリーニングもしっかり行います。でないとこの先オーバーヒートなどの弊害が起きるので、分解する機会にやってあげるのも当店はいつも心がけるところです。
全ての取り付け、クリーニングの作業などが完了したら、一度裏蓋を閉じる前に電源を入れ、正常な動作を確認します。異常があればすぐに発見できますし、正確に自分の作業ができたのかの答え合わせになります。安心できる結果が確認できればやっと、最初に開いた裏蓋を閉じていきます。最後だからといって気を抜かず、一番最初に外した、5角の星形ネジを細いピッチなので斜めに入れてナメさせてしまわない様に閉じていき、適正トルクで締め付けます。
安全に依頼通りの作業を確実にこなしていくために必要な設備を整え正しい道具を正確に使用する事でしか出せない結果を完璧に出す事がAPPLEMAC神戸店、大阪北浜店の目標です。
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