iPad mini 第6世代は、2021年秋に発売されたモデルで、1年ちょっと以前のモデルにはなりますが、現在まだiPad mini 第7世代 の発表はありませんので現在最新モデルと言えます。現行のこちらのモデルは端末としても高額ですが、パーツも最新のためかなり高額にはなってしまいます。

国内の販売業者や、修理店舗では未だに高額のため扱っていなかったり、高いのでやんわり修理を断られたり、するお店も未だにあるかも知れません。APPLEMAC大阪北浜店でも常にパーツが常時在庫できていないモデルの一つです。やはり在庫にも予算があり、頻繁に修理を依頼頂く機種やモデル、色のものをメインに在庫を揃えておりますので、全てのメーカー、全ての機種、全ての色の在庫を揃えるのはかなり難しく合理的でもありません。

こちらの iPad mini 6 はお預かりする前日の午前中にお風呂に浸かって使用されていた時に誤って湯船に落としてしまったという事でお預かり致しました。すぐに救い上げ拭き取り、最初はチラツキがたつきがありつつも表示していたディスプレイにもついに何も表示されなくなり、うんともすんとも動かなくなってしまったとのお困りでのご来店でした。

早速ディスプレイを本体から剥がす作業で内部を確認しようとのぞいてみたら見事にビッショビショでした。Apple様の防水意識耐水意識にはつくづくため息をつかされておりますが、ここまでディスプレイの表示領域を端まで広げて内部に高性能なパーツを組み込み詰め込んでしまったらこのレベルが今の時代では限界なのかも知れません。

昔、甥っ子が高校に入学したお祝いに iPhone XS をプレゼントしたことがあります。もちろん中古ですし、修理業を当時もやっていましたので中古端末を原価で入手し、パーツをバッテリーやらディスプレイなどを新品に交換し、パーツを全て外して全部の隙間にシリコンコーキング剤を塗り埋め尽くし、可能な限りの防水仕様の iPhone XS 防水スペシャル というものを作成しプレゼントしました。しかしディスプレイガラスのイヤースピーカーの穴、受話部分とイヤスピーカーパーツとは直結しており、ここを水が入らないレベルで塞いでしまうと相手の声が聞こえない電話気になってしまうとか、端末下部にある外部スピーカーとフレームの小さい穴も、同じ理由で塞ぐ事はできません。交換するパーツを最小限にするために、それぞれ大小のスピーカーをもろともシリコンコーキング剤で埋めてしまい、それより端末内部には水が入らないように、なんてカスタムを行っていました。

スリープボタンやボリュームボタン、マナーモードスイッチやフラッシュライトレンズの隙間など、ありとあらゆる部分に同じような意図でシリコンコーキング剤で埋め尽くし、ちょっとした無敵 iPhone を作ってみたのですが、やはり穴という穴全てを塞ぐことができず、そこまで無敵にする事はできませんでした。

ほんの少しの苦戦はありましたが、問題なく分解し、優先順位を定めてロジックボードやドックコネクタ、ディスプレイの接続端子などの腐食、緑青を取り除いていく作業を行いました。一番大切な部分が復旧できるか判断する前に小さなサブのパーツの修理や修復に作業時間を割いてしまっては、結局キャンセルや価格が予想以上に高額なために買い替えや別の方法を考える流れになった際に、多くの時間を無駄に弄する事になってしまいます。

診断していく順序、作業していく順番、お預かりする際に必要な説明内容など、予め多くの事を頭の中で想像し、想定し、組み立てる事で、後から「そんな話聞いてない」のようなやりとりになる事も防ぐことができます。

必要な作業を行い、大まかにのちにどのような作業が必要か、どのパーツの交換が必要か見極める事を最速で行い、適切なタイミングでお客様にご連絡し作業を中断するか進めるか判断する事も、正しく修理を行う上で大切な能力だと思っています。

APPLEMAC大阪北浜店やAPPLEMAC神戸店では皆様に感謝の気持ちを込めて、YouTube動画、ライブ配信でのプレゼント企画も行っており、またAPPLEMAC大阪北浜店ではスタッフの募集も行っております。

新たな仲間と、今一緒に戦っている仲間とはこれからも、修理の技術や接客の技術、様々な社会的能力を全てレベルアップさせていけるこの環境を共有し共に戦っていける事を楽しみにしています。