大阪淀屋橋 iPad 12.9インチ 第3世代 A1876 ドックコネクタ交換修理
今では本当に多くの人が使用しているスマートフォンやタブレットですが、iPhone や iPad などは全て、ライトニングケーブルや、 USB type-C ケーブルを挿入して充電する事で繰り返し使用できる充電式端末ですが、他の充電ケーブルと同じように、抜き差しの頻度や、抜き差しするケーブルの品質により不具合が発生しやすくなることも多々あります。
社外メーカーや、100均などで購入するケーブルですとどうしても品質が劣り、 ライトニング端子自体の寸法に誤差が生じたり、そもそも作りが雑なものもあります。
お使いのケーブルを抜き差しするときに、上下左右に変な遊びがあったり、カチンとハマったり抜けたりする感触が足りないな、と感じる場合は要注意です。
作りの雑なケーブルを普段使用しているだけでも、ドックコネクタ側には負担になり、摩耗が速くなったり、内部の金属端子の変形、破損の原因になったりしますが、純正のケーブルや、純正に準ずるケーブルを使用していたとしても、何十回、何百回と抜き差ししていく中で、ドックコネクタ内部の金属端子には摩耗や変形が生じていきます。
今回お預かりしたのは、iPad 12.9インチ 第3世代 のドックコネクタ接触不良による、充電不可という症状でのお修理でした。取り外した USB type-C の端子を顕微鏡で拡大して見てみると。
10本の端子が接点となり、ケーブル側の端子と触れ通電する事で機能を果たすのですが、この画像で見たところの左側から3本目と4本目、8本目の3本はゴリっとめくれて隣と接触してしまっています。
反対側も見てみましょう。
本来画像上部のように、楕円形の平たい金属端子の面である筈の端子が、まるで竹を割いたか、カニカマのようにささくれてぐしゃぐしゃになっていますね。こうなってしまうと、もうどのようなケーブルを挿しても、新品の Apple純正ケーブルを挿したところで、既に遅し。充電やパソコンとの接続は全くできません。
こうなる前に内部の清掃を行ったり、ケーブルの見直しをすれば延命はできたかもしれませんが、なってしまったものは致し方ありません。
このような調査を進めつつ、ドックコネクターの交換を行いましたが、皆様お気づきでしたか?一番最初の画像で気づいた方はさすがといったところですが、そう、このパーツ、ハンダ溶接を必要としないパーツなんです。ロジックボードにコネクターでパチンとハメてしまえば交換完了という少し修理屋にはありがたい設計がなされています。
そうはいっても、iPad 12.9インチ 第3世代 ともなりますと、ディスプレイの大きさや、ベゼルの薄さで分解難易度はそんなに低くはありませんので、修理の全体としてはそんなに簡単ではありませんが、パーツさえ揃えれば道具がそこまでなくてもチャレンジできるというのは、ユーザーやチャレンジャーからするとありがたいですね。
iPad 12.9インチ 第3世代 を修理する際はディスプレイが完全に持ち上げられていない状態でケーブル類を外していく作業が必須になりますので、パカっとどこかの方向へ開けてしまえる他のモデルと同じような感覚で作業していると、大切なケーブル類を切断してしまう可能性が高くなります。
本体とディスプレイを接着している防水テープを一周切り離すことができれば、少し上に持ち上げた状態で下方向(ドックコネクタ側)にずらす事でフロントセンサーケーブルのコネクタを固定しているコネクターカバーとネジ2本が確認できます。そのネジを外してコネクタカバーを取り除き、ケーブルを外す事でようやくディスプレイを立てて保持する事ができるようになります。
各モデルに分解のコツやクセがありますのでご自身で試される際や、これから修理を学ぼうという方は是非YouTubeの動画も参考にして頂けると事故を防ぎつつ修理を完遂する事ができると思います。
Mac Book 12インチ 2015年モデルのバッテリー交換をご自身で試された結果、トラックパッドケーブルをちぎってしまったというお修理についてはまた後日、ブログにてご紹介させて頂きます。
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