大阪梅田 iPad mini 4 A1538 他店で断られた水没修理
APPLEMAC大阪北浜店では、自分で修理をしてみたけれど結局壊してしまった時のお助け修理や、他店で断られた修理でもご依頼があればお受けし修理復旧しております。設備が無く、設備がないのでもちろん技術もなく、パーツの交換以上の事ができないお店では対応できないような、ロジックボード、マザーボードのICチップのリボール、交換、など複雑、高難度な様々な修理にも対応しておりますので、同じ修理店様からご相談、ご依頼をいただく事もあります。
郵送にてご依頼いただいた iPad mini 4 のお修理ですが、記憶には無いけれど水没しているようで修理ができないという内容で別の修理屋さんで断られてしまったお修理のご依頼でした。お預かりしたところディスプレイもパッカリ簡単に開く状態で、ディスプレイの裏側の金属プレートやバッテリーの表面には、海水が乾燥したかのような白い汚れとも腐食とも言えるような模様が前面についた状態になっており、起動はおろか、 PC での接続も認識しない状態でした。
完全に乾燥はしていたのですが、汚れがあり洗浄された様子も無かったので、IPA(イソプロピレンアルコール)を加熱し超音波洗浄機によって洗浄するという水没した機器の修理においての第一段階を行いました。
音波洗浄機について
音波洗浄機とは液体(水)を入れた容器の外側から、液体に超音波を継続的に当てる事で液体の中で対象物を洗浄する機器のことで、メガネのレンズなど直接触れて傷をつけてしまう様なものを洗うための装置として身近にご存知な方もおられると思います。
この装置の特色として、[キャビテーション]という現象の利用がありますが、キャビテーションとは、液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象のことです。気圧が下がると沸点が下がるので(ボイル・シャルルの法則)、液中の気圧が「飽和蒸気圧」以下になると、液体が水の場合は水蒸気(H2O)による泡が発生します。この泡は負圧でできたわけですから、当然、圧力の高いところで消滅しますが、その際に“大きな衝撃”が発生するのです。この衝撃を洗浄に活用したのが「超音波洗浄機」です。
電子機器、基板等を洗浄する上で、水を使用する事はありませんが、 IPA を任意の温度に加熱し音波洗浄する事で、この[キャビテーション]が基板の隅々で起こり、衝撃派が液体の中全体で発生する事で、汚れや腐食した固形物などをどんどん剥がして取り除いてくれる、この効果の為に、【音波洗浄機】というものは使用します。
音波洗浄機によりほとんどの汚れや異物を取り除いたロジックボードはパッと見はきれいになりましたが目には見えなくても異物や腐食分が付着している可能性がありますので、ここで顕微鏡による拡大した目視の確認を行います。
冒頭の画像は音波洗浄機によって10分×2回、洗浄した後に顕微鏡にて確認した際に視認できた腐食箇所、損傷箇所です。ここがどこかわかる方はもうプロですね!これは iPad mini 4 リアカメラが接続されている FPC コネクタです。
この部分の腐食がこの段階で一番激しかったので画像に残しましたが、ここの他にディスプレイのケーブルをロジックボードに接続している FPC コネクタにも少し腐食、緑青が確認できました。清掃で回路としての接点が復旧しないレベルでの腐食、樹脂の損傷が見られたので、 FPC コネクタ自体の交換をお客様には提案させて頂きました。
ご依頼を頂ければ FPC コネクタ の交換を行い、ディスプレイの交換、を経て復旧できる見込み、という状態で中断しております。
他店で断られた、と一言で言っても、触らずに断るお店もあれば、色々やれるだけの事をやった上で直せなかったと断るお店もあり、100店舗あれば100通りの対応がありますので、それぞれどの様な端末の状態かおおよそ予測しながら修理診断を進めていく事で作業時間を短縮することができます。逆を言えば、お客様(この場合は修理において知識の少ない)の言葉、診断、判断を鵜呑みにしお客様の依頼通りの作業しかしない修理の仕方だと無駄な時間を費やしてしまったり、無意味な作業をしてしまったり、不必要な時間、労力、パーツを浪費してしまうということになりかねません。
作業を効率よく、診断をスムーズに、完了までの最短距離を頭の中で叩き出せてこそプロの修理と言えると思い日々知識経験を増やす事に努めておりますので、どの様な症状でもどの様な機器の不具合破損でも是非一度お気軽にご相談くださいませ。
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