Wahoo ELEMNT BOLT V2 仕入れ不可バッテリー交換とボタン修理
あらゆる電子機器の修理をさせて頂いておりますが、バッテリーが仕入れできないやモデル番号が不明など型番が記載されていても仕入れする事ができない電子機器のバッテリー交換修理もお任せください。
APPLEMAC大阪北浜店では、この度新たな機種の修理に着手することが出来ましたので、ご依頼頂いたお客様に感謝の気持ちを伝えると共に、ご報告をさせて頂きます。
[Wahoo ELEMNT BOLT V2]サイクルコンピューター
今回御依頼頂いたのは Wahoo ELEMNT BOLT V2 というサイクルコンピューターのお修理で、ディスプレイ下部に3つ配置されているボタンの内、右端のボタンが陥没し反応しなくなった復旧の修理と、バッテリーの交換という御依頼でした。
こちらのサイクルコンピューターは2021年モデルという比較的新しい機種である事もあり大した情報が出回っておりません。もちろん分解方法やバッテリーの品番などの情報も全く無いところからのスタートですので全てにおいて分解し内部を調査するところから始める性質の作業になりましたのでかなり苦戦もしましたがしっかり答えを出すことが出来ました。
[分解開始]
ELEMNT BOLT V1 という一つ前のモデルはいくつか情報も出ておりまして、過去にバッテリーをDIYで交換チャレンジした方の動画や海外の分解動画というのも多少出てきました。事前に観察し同じメーカー、同じモデルの1つ旧式という事もあり多少参考になるかと思ったのも束の間、本体背面を確認しても V1 には見られたネジが一つもありません。Garmin などと同じ様に接着防水テープで貼り付けられているであろうディスプレイをなんとか無事取り外したところから手詰まりになってしまいそこから試行錯誤が始まりました。
ディスプレイを取り外せば真っ先に見えるのが緑色のロジックボード。ディスプレイより一回り大きなサイズのものがぴったりと嵌っています。ネジが2.3本ありネジを外してロジックボードを取り外せば内部にアクセスできる、なんて簡単に思っていたのですが、現物を確認すると、ディスプレイを貼り付けていたプラスチック製のフレームより大きなロジックボード。これはボディを上下に分割してしまわなければこれ以上内部にアクセス出来ないことを表していました。
[分解する上での障害]
側面には1本もしくは2本の筋があり、他はゴム製のボタン周りの素材と、本体のプラスチック製の部分との2種類に分かれているのが分かります。艶ありの部分と艶なしマットな部分がありますがそこに継ぎ目はなく、やはり筋、溝に見える部分がそこからボディが上下に分割できるのか出来ないのか、曖昧に感じるほど密着しておりかなりの苦戦を強いられました。樹脂ボディは金属のアルミなどと違い、ミネシマヘラやオルファ のアートナイフなど金属の道具では簡単に変形、凹み、削れてしまいます。分解できても元どおりにできない状態に壊してしまっては意味がありませんので、復元可能な方法での分解をなんとか試みていく流れになりました。
結論から言うと前述した側面の筋、溝の部分でボディ上下に分割ができたのですが、タッパーとタッパーの蓋の様に覆い被さる形で嵌め込まれており尚且つ強力な接着剤にて貼り付けされていたことが分かり、そこからはオルファ平型アートナイフや爪を用いて切り離していく事で分解するに至りました。
ボディの上下が分割できた段階でやっとロジックボードに触れることが出来ましたが、メインのロジックボードはボディ上側の樹脂フレームに裏側からネジ3本で固定されていました。バッテリーは Garmin サイクルコンピューターなどと同じでボディ底面に両面テープで接着されており、本体充電に使用する USB-typeC のコネクターと外部センサーのケーブルがロジックボード裏側でそれぞれコネクタにより接続されていました。構成パーツとしては、ディスプレイ、上側樹脂フレーム、バッテリー、USB-Ctypeコネクタセンサーケーブル、バッテリー、下側樹脂ボディ、に分かれました。
バッテリーにはモデル番号も印刷されており [753647]というナンバーが確認できました。これを参考に新しいバッテリーの選定を行って行く予定です。
[ボタン陥没の原因について]
ご依頼のあったボタン陥没についても分解した時点で解決しました。ゴム製の押しボタン部分と、ロジックボードのスイッチパーツの間にはいくらか距離があり、その距離を埋める直径 1mm 長さ 3mm 程度の円柱のパーツがあるのですが、ゴム製の押しボタン部分にある円柱パーツがはまる穴部分から脱落してしまっており、ボタンが押せないという状態であったことが判明しました。こちらは本体を組み戻す際に、ゴム製のボタン部分と円柱のパーツを接着剤で固定する事で対応が可能だと判断しました。
これで全てのご依頼内容に対応する手筈が整いましたので、後半の仕上げに関しては、後日バッテリーが到着次第、YouTubeで配信し、またブログにてご報告させて頂きます。
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